MBDとMTGとBLM
2020年6月14日 Magic: The Gathering
pauperやってます
イコリアの発売からずーっと相棒のいない世界pauperで遊んでます。外部から唱える(今は手札に持ってくるらしいけど)時点でアドバンテージ+1、ルールスは即座にガラクタ拾ってきて+1。何もないところからアド+2できる世界で相棒のいないデッキを擦れないです。
弄っているのは黒単信心(Mono Black Devotion)で今は上のリスト。同時に信心要素のない黒コン(下のリスト)。
発掘と魔女屋敷を強くしたいので精神ねじ切りを髑髏の占い師にしたら、かなり感触が良い。相手の手札が空でもボードに投下できて役に立つ。嫌悪者で魔女屋敷を持ってくる→魔女屋敷で嫌悪者トップ で確実に土地を伸ばす動きは結構な割合でやる。
タフ1がそもそも環境に少ないのでクォムバッジが弱い。ひいては信心型が弱いと感じて、沼を並べて堕落を撃つ下のリストが今のお気に入り。
人種差別的および文化侮辱的な内容による禁止に関して
人種差別を想起させる描写についての声明|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034052/
各カードを見ればまあ納得。でも日本プレーヤーの間だと反射的な拒否反応が多いので少し書く。いずれも、カード名・イラスト・効果の組み合わせで現実の偏見強化に繋がっているものと分かる。各カードの簡単な解説は↓とか。一部はMTGwikiに書いたのでそちらを参照。他にも解説している海外プレイヤーは多いので省略。
https://threadreaderapp.com/thread/1270874078836998146.html
この「複数の要素が複合している」という点が重要で、これを意図的に無視しない限りは、「8/8の白金の帝像も禁止ですかー?」とか「黒のクリーチャーを破壊する呪文は禁止ですかー?」みたいな不誠実なWhataboutismを表出させないで済む。
また「ポリコレクレーマーが表現を殺す!」 みたいな意見も見るが、まずWotC(ハズブロでも)の企業主体性を何だと思っているのだろう。差別的な商品があるという意見を企業に出すのは誰でも行える権利なのと同様に、企業側はそれを「馬鹿かお前は」と突っぱねることもできるし、単に無視することもできるし、何らかの対応を取ることもできる。企業の自由だ。
WotCは公式大会での禁止と、Gathererからのカード画像削除を行ったわけで、これはbestな選択ではなかったと思う(まず社員の人種的多様性を向上せよと指摘されている)が、これが表現を抹殺した?とんでもない。個人がカジュアルに対戦する分には自由に使えるし、Gathererにも画像以外のデータはオラクルも含め残っている。企業が認定するトーナメントで使用できないようにする、というのは企業の選択で、他の多数の禁止カードと変わらない。禁止解除大会を個人が行いたければ行えるのも同様。第一、マジックプレーヤーの意見だって聞いたり聞かなかったりするWotCが、クレーマーの意見には絶対服従する、わけがないだろう。
そもそも「ポリコレで表現の幅が狭まる」のか?近年のマジックを見れば分かる通り、アフリカ系やラテン系、アジア系、スラブ系など多様なキャラクターが出て来て、男性も女性もトランスも異性愛キャラも同性愛キャラも非定型発達キャラも出てくる「ポリコレ」に配慮した近年のマジックでは、毎セット思いもよらないようなストーリーが語られる。
色々な属性のキャラクターが出る(そして虚仮にされたり単なる噛ませで終わらない)ということは、自身がゲームの中に存在すると感じるプレイヤーが増えるわけで、これは開発部コラムでも何度も語られている。マジックを画一的なキャラクター・ストーリーばかりにして、プレイヤーの多くに疎外感を感じさせるより、実利の面でもマジックにとって良い選択だというのは明らかだろう。(実際にWotCはその選択をしている)
「昔のカードを今のコンプライアンスで禁止するのか」という非難も、昔のカードを「今のトーナメントで許可し続ける」ということが現在の問題だということを無視している。銅像が引き倒されることを「過去の価値観を現在の価値観で裁くのか」と非難するような言説が、「その銅像が現在建っているのに相応しいのか」という議論が現在の問題であることを無視しているのと同様だ。銅像を倒すとき、倒されているのは現在の銅像だからだ。そもそも認定大会で禁止されたとて、上述の通りカジュアル対戦では好きに使えるのだから、「昔は差別的なカードを認定大会で使えたんだね~」で終わる話だろう。
「何が差別に当たるか分からない」「差別とマジックの関係が分からない」という言説に至っては、それが分からないのに何故WotCの対応がやりすぎとか無意味だとか判断できるのだろう。背景について掘り下げようとしないのだろう。
ピルグリムファーザーズが渡ってから400年、コロンブスからなら500年も続いている問題について現地で考えて対応する人達に対して、遠く離れて被差別側でもない人間が「何が差別か分からないから反差別対応をやめろ」?ずっと続いてきた「多数派が満足する」画一的な表現に対して、辺縁化されて来た人々が「我々を無視(あるいは足蹴に)するのをやめろ」と声を挙げているときに、それらの透明化されてきた人達について想像を巡らせられないのか。それらの人の尊厳より自分のカードゲームが大事か。
最後に、黒人奴隷制がなくなっても黒人奴隷労働は現在の問題として続いている、という話は「13th -憲法修正第13条-」というドキュメンタリーなどで取り上げられている。これは終わった過去の話ではない、という意識が急速に広がっているのだ。この番組はNetflix制作だが、Youtubeで無料公開中だ。
https://www.youtube.com/watch?v=krfcq5pF8u8 (設定から日本語字幕も出せる)
追記:先日はBLM行進に参加しました。皆マスクをして距離を取り、日本人(日本国籍保持者のことではない、為念)は5人に一人かそれ以下というところ。欧州系(ラテンもゲルマンも)もアフリカ系やアジア系もいてまさに人種のるつぼ。外国人として暮らす人々にとってBLMは対岸の火事ではない。
行進の終了後は発端となったGeorge Floydが警察によって首を地面に押さえつけられ、窒息死させられたのと同じ8分46秒の黙祷。参加者と拙い英語であまりコミュニケーションが取れなかったので、もっと会話の練習が必要だ。
イコリアの発売からずーっと相棒のいない世界pauperで遊んでます。外部から唱える(今は手札に持ってくるらしいけど)時点でアドバンテージ+1、ルールスは即座にガラクタ拾ってきて+1。何もないところからアド+2できる世界で相棒のいないデッキを擦れないです。
弄っているのは黒単信心(Mono Black Devotion)で今は上のリスト。同時に信心要素のない黒コン(下のリスト)。
発掘と魔女屋敷を強くしたいので精神ねじ切りを髑髏の占い師にしたら、かなり感触が良い。相手の手札が空でもボードに投下できて役に立つ。嫌悪者で魔女屋敷を持ってくる→魔女屋敷で嫌悪者トップ で確実に土地を伸ばす動きは結構な割合でやる。
タフ1がそもそも環境に少ないのでクォムバッジが弱い。ひいては信心型が弱いと感じて、沼を並べて堕落を撃つ下のリストが今のお気に入り。
人種差別的および文化侮辱的な内容による禁止に関して
人種差別を想起させる描写についての声明|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034052/
各カードを見ればまあ納得。でも日本プレーヤーの間だと反射的な拒否反応が多いので少し書く。いずれも、カード名・イラスト・効果の組み合わせで現実の偏見強化に繋がっているものと分かる。各カードの簡単な解説は↓とか。一部はMTGwikiに書いたのでそちらを参照。他にも解説している海外プレイヤーは多いので省略。
https://threadreaderapp.com/thread/1270874078836998146.html
この「複数の要素が複合している」という点が重要で、これを意図的に無視しない限りは、「8/8の白金の帝像も禁止ですかー?」とか「黒のクリーチャーを破壊する呪文は禁止ですかー?」みたいな不誠実なWhataboutismを表出させないで済む。
また「ポリコレクレーマーが表現を殺す!」 みたいな意見も見るが、まずWotC(ハズブロでも)の企業主体性を何だと思っているのだろう。差別的な商品があるという意見を企業に出すのは誰でも行える権利なのと同様に、企業側はそれを「馬鹿かお前は」と突っぱねることもできるし、単に無視することもできるし、何らかの対応を取ることもできる。企業の自由だ。
WotCは公式大会での禁止と、Gathererからのカード画像削除を行ったわけで、これはbestな選択ではなかったと思う(まず社員の人種的多様性を向上せよと指摘されている)が、これが表現を抹殺した?とんでもない。個人がカジュアルに対戦する分には自由に使えるし、Gathererにも画像以外のデータはオラクルも含め残っている。企業が認定するトーナメントで使用できないようにする、というのは企業の選択で、他の多数の禁止カードと変わらない。禁止解除大会を個人が行いたければ行えるのも同様。第一、マジックプレーヤーの意見だって聞いたり聞かなかったりするWotCが、クレーマーの意見には絶対服従する、わけがないだろう。
そもそも「ポリコレで表現の幅が狭まる」のか?近年のマジックを見れば分かる通り、アフリカ系やラテン系、アジア系、スラブ系など多様なキャラクターが出て来て、男性も女性もトランスも異性愛キャラも同性愛キャラも非定型発達キャラも出てくる「ポリコレ」に配慮した近年のマジックでは、毎セット思いもよらないようなストーリーが語られる。
色々な属性のキャラクターが出る(そして虚仮にされたり単なる噛ませで終わらない)ということは、自身がゲームの中に存在すると感じるプレイヤーが増えるわけで、これは開発部コラムでも何度も語られている。マジックを画一的なキャラクター・ストーリーばかりにして、プレイヤーの多くに疎外感を感じさせるより、実利の面でもマジックにとって良い選択だというのは明らかだろう。(実際にWotCはその選択をしている)
「昔のカードを今のコンプライアンスで禁止するのか」という非難も、昔のカードを「今のトーナメントで許可し続ける」ということが現在の問題だということを無視している。銅像が引き倒されることを「過去の価値観を現在の価値観で裁くのか」と非難するような言説が、「その銅像が現在建っているのに相応しいのか」という議論が現在の問題であることを無視しているのと同様だ。銅像を倒すとき、倒されているのは現在の銅像だからだ。そもそも認定大会で禁止されたとて、上述の通りカジュアル対戦では好きに使えるのだから、「昔は差別的なカードを認定大会で使えたんだね~」で終わる話だろう。
「何が差別に当たるか分からない」「差別とマジックの関係が分からない」という言説に至っては、それが分からないのに何故WotCの対応がやりすぎとか無意味だとか判断できるのだろう。背景について掘り下げようとしないのだろう。
ピルグリムファーザーズが渡ってから400年、コロンブスからなら500年も続いている問題について現地で考えて対応する人達に対して、遠く離れて被差別側でもない人間が「何が差別か分からないから反差別対応をやめろ」?ずっと続いてきた「多数派が満足する」画一的な表現に対して、辺縁化されて来た人々が「我々を無視(あるいは足蹴に)するのをやめろ」と声を挙げているときに、それらの透明化されてきた人達について想像を巡らせられないのか。それらの人の尊厳より自分のカードゲームが大事か。
最後に、黒人奴隷制がなくなっても黒人奴隷労働は現在の問題として続いている、という話は「13th -憲法修正第13条-」というドキュメンタリーなどで取り上げられている。これは終わった過去の話ではない、という意識が急速に広がっているのだ。この番組はNetflix制作だが、Youtubeで無料公開中だ。
https://www.youtube.com/watch?v=krfcq5pF8u8 (設定から日本語字幕も出せる)
追記:先日はBLM行進に参加しました。皆マスクをして距離を取り、日本人(日本国籍保持者のことではない、為念)は5人に一人かそれ以下というところ。欧州系(ラテンもゲルマンも)もアフリカ系やアジア系もいてまさに人種のるつぼ。外国人として暮らす人々にとってBLMは対岸の火事ではない。
行進の終了後は発端となったGeorge Floydが警察によって首を地面に押さえつけられ、窒息死させられたのと同じ8分46秒の黙祷。参加者と拙い英語であまりコミュニケーションが取れなかったので、もっと会話の練習が必要だ。
コメント